本
社所在地 |
香川県高 松市栗林町2丁目19番20号 |
設
立年月日 |
昭和18年11月1日(鉄道会社3社の事業統合によって設立) |
資
本金 |
2億
5,000万円 |
公
式Webサイト |
http://www.kotoden.co.jp/ |
2011.11瓦町駅 |
2011.11高松築港駅を出発した長尾行き |
2011.11オフィスビルが林立する中央通り(国道11号) |
2011.11四国電力本店(左)と高松高等検察庁(右)をバックに走る長尾行き電車 |
【事
業の目的】 本事業は、高松市の中心市街地を南北に走行している琴電を高架化することで、地域の分断や、交通渋滞及び踏切事故を解消するとともに、新しい都市拠点「サ ンポート高松」へ高松築港駅を移転し、電車の乗り入れを行うことで、交通結節機能を強化し、県都高松市の都市機能を一層向上させることを目的として整備す るものです。 【事業の概要】 *事業者:香川県、高松市、高松琴平電鉄株式会社 *工事延長:(琴平線)2,586m (長尾線)956m *踏切除却:28か所 *駅施設:高松築港駅、片原町駅、瓦町駅 |
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本事業は、平成12年3月2日に都市計画事
業認可を受け、これまで用地買収等を順次進めてきましたが、「琴電の経営破たんによる再生計画への移行」、「地価下落に伴う琴電の連立事業負担金への影
響」、「香川県・高松市の厳しい財政状況」など、計画当初には、予想できなかった大きな社会経済情勢の変化がありました。 このようなことから、平成16年に発表された財政再建方策に沿い、平成16年度香川県公共事業再評価委員会に諮問し、平成17年2月16日に、「事業の 一時休止」の答申が出され、これを受け県は平成17年度から事業を一時休止してきました。 再評価委員会より引き続き検討すべきとされた「本町踏切などの交通混雑の解消及び安全性の確保」、「サンポート高松への乗り入れによる交通結節機能の強 化」といった課題について、国・県・高松市・琴電などの関係者や学識経験者等で構成する高松琴平電鉄交差問題等検討委員会を設置し、平成17年度から平成 21年度まで当初計画案の見直しも含めて調査検討を行いましたが、その中で残った3案(現計画案、鉄道高架区間短縮案、道路高架案)いずれについて も事 業費等の課題があり、すぐに実施すべきではないという結論となりました。 そのような中、前回再評価から5年経過したため、平成21年度再評価委員会に諮ることとなりましたが、社会経済情勢や県の財政状況は依然として厳しいこ とから、平成21年10月23日に平成21年度香川県公共事業再評価委員会に「事業中止」で諮問を行い、平成22年2月10日に同委員会より「事業中止」 の答申が出され、平成22年3月31日をもって、事業を中止しました。 ※香 川県Webサイトより |
新高松築港駅のイメージパス(高松市Webサイトより) |
2011.11(都)高松駅南線 連続立体交差事業を前提とした広幅員が確保 |
(都)高松海岸線のイメージパス 片側3車線である(高松市Webサイトより) |
2011.11現在の(都)高松海岸線 建物はセットバックされている |
2011.11高松築港〜片原町間 |
2011.11高松城の堀端を走る高松築港〜片原町間 |
2011.11変則交差点の本町踏切 |
2011.11市街地に囲まれた片原町駅 |
2011.11片原町駅 アーケード街が隣接 |
2011.11片原町〜瓦町間は多数の踏切が存在 |
2011.11瓦町駅を出発した琴平線電車 |
2011.11瓦町駅を出ると間もなく観光通り(4車線)を踏切で渡る |
▼シリーズ追跡 最終結論に込めた意味〜琴電
連立事業見
直し委 (2009年6月7日『四国新聞』) 「高架は難しい」本音 琴電連続立体交差事業の計画見直しを検討してきた有識者委員会が見直し案として3案を選んだ。しかし、どの案にも課題が残ったまま。特定の案にお墨付き を出したとは言い難い。委員会は「これが最終結論」とし、解散してしまった。琴電の破たんや県の財政難でとん挫した連立事業はどうなってしまうのか。委員 会が最終結論に込めたメッセージをひもとく。 |
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■3案どれも「△」 「車中心」時代遅れ 県へぎりぎりの意思表示 「この会議に出席するのが苦痛だった」。連立事業の見直しを検討してきた高松琴平電鉄交差問題等検討委員会。委員の一人はそんな本音を漏らしたという。 「会議が苦痛」とはどういうことか。議論が白熱し、結論を見いだすのに骨が折れたというのか。しかし、見直し案はどれも課題が残り、白熱した議論の成果と すれば、やや説得力に欠ける。 「要はなにも決められない会だったんですよ」。委員長を務めた土井健司香川大工学部教授の言葉が「苦痛」の真意を指し示していた。 ◆ ◆ ◆ とにもかくにも、まずは三つの見直し案を見てみたい。 選定されたのは、(1)現行計画通り高松築港駅から琴平線2.6キロ、長尾線1キロを高架化する(2)高架区間を国道11号以北に短縮する(3)本町踏切 を通るさぬき浜街道の道路を高架化する―の3案。 事業費をみると、(1)は340億円。現行案はこの多額な事業費がネックとなり、一時休止に追い込まれた。高架区間を縮めた(2)は200億円、線路でな く道路を高架化する(3)は60億円と、ともに(1)に比べると安い。 ただ、(2)は高架区間へ向かって勾配がつく国道11号から片原町駅間で東西方向の道路の一部が遮断される(3)はさらなる用地買収が必要―など、新たな 課題を抱える。 では、どうして課題が残るにもかかわらず、この3案を選んだのか。 「選んだというか、残ったという方が正しい」。土井教授は3案をそう表現する。 |
さぬき浜街道とフェリー通りの変則交差点の 中心にある「本町踏切」。 形状の複雑さと踏切の存在がラッシュ時の 渋滞を招いている。 (四国新聞Webサイトより) |
(四国新聞Webサイトより) |
県によると、委員会は、事務局の県が示す9つの見直し案の中から、事業の目的である「本町踏切の交通混雑解消」と「サンポート高松での交通結節機能の強
化」の課題をクリアしつつ、費用対効果の優れた案を選ぶために設置した。課題の解決策を高架化に求めるのが基本路線で、そこにあるのはあくまで「高架あり
き」の議論のはずだった。 しかし、連立事業が行き詰まって以降、交通政策の考え方は大きく変化した。土井教授が説明する。「連立は車中心の発想。これはもう古い。今はまちにいかに 車を入れないかというカーフリーの考え方が広まりつつある」。連立構想が事業の一時休止という中途半端な形で残っていることが、次世代の交通政策やまちづ くりの議論の障害になっているとの指摘だ。 経済界などから上がる「連立構想は早く終わらせるべき」との声は当然、委員の耳にも届いていた。「こうした空気の中で『この案で高架化を実現すべき』とは 言いにくいでしょう」。土井教授は「会議が苦痛」とした委員の気持ちを代弁する。 委員会は「いくら計画を見直しても、事業自体が時代遅れ」というジレンマを抱えていたのだ。それゆえ、議論は課題の解決策を高架化以外に求める方向へと向 かう。 その中で解決の糸口も見えてきた。本町踏切の混雑解消は、踏切の遮断時間を短縮することで朝のラッシュ時には渋滞が4割以下に短縮できることが判明。サン ポート高松の交通結節についても、高松築港駅のサンポート乗り入れに固執せずとも「まちのにぎわい創出の観点から、乗降客が築港駅からJR高松駅までを歩 くことに意味がある」という新たな視点が生まれた。 ◆ ◆ ◆ こうした高架に頼らない問題解決の方策を探る一方、委員会の当初の目的である連立事業の見直しについては、費用対効果や安全面から実現可能性の低い案を消 去。最終的に「残った」のがこの3案だった。 土井教授は「3案とも○でなく、あくまで△」と強調。そして、「研究者の立場から言えば」と前置きした上で、「○をつけなかったということは『どれもすべ きでない』という意思表示ですよ」と本音を吐露した。委員会が事業の可否を決定する機関でなく、見直し案の検討が役目だったため、「△というぎりぎりの結 論」を出すしかなかった。 |
「時代遅れ」の事業を見直すのに4年を要した委員会。この時間が無駄だったかといえば、そうではない。土井教授は「高架に頼らない課題解決策について議論
できたのは有意義だった」と振り返る。それは、自身も求める「脱・高架」の議論への布石になれたとの自負だろう。 一方、委員会からバトンを託された県。委員会の結論を「非常に厳しい内容」と受け止める。連立事業を推し進めるには「△を○にする工夫を求められた」から だ。 現行の連立計画は、当初の予定では来年度が事業完了年度で、来年度末には事業の認可が切れる。事業がとん挫したままでは、国から交付済みの補助金の返還を 求められる可能性がある。事業を再開するのか、それとも中止するのか。県の決断の時が迫っている。 |
■事業の経緯 用地買収などに47億円投入 |
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県都
の中心街区、琴電瓦町駅周辺。フェリー通りと並行に走る電車のレールを境に、まちは異なる表情を見せる。華やいだ雰囲気を持つ駅の西側に対し、線路を越え
て東側に入ると店舗や人通りが減り、物寂しさが漂う。 琴電の平面軌道による高松市中心部の東西分断。慢性的な渋滞を生むだけでなく、土地の一体利用も阻害してきた。そこで解決策として、浮上したのが連立事業 だ。県は1990年から地質調査に乗り出し、98年には都市計画決定。2000年3月には、国から事業認可を得た。 県によると計画では、JR高松駅南側に高松築港駅を新設し、JR高徳線と交差する部分までの琴平線2.6キロと、瓦町駅から観光通り以北の長尾線の1キロ 区間を高架化する。 実現すれば、市中心部28カ所の踏切が取り除かれ、慢性的な渋滞は緩和。東西の風通しが良くなれば、都市機能の活性化や再開発が期待できる。総事業費 340億円の一大プロジェクトだ。 事業認可を受けた県は、10年度の完成を目指し用地買収などに本格着手。「あとは00年度中に琴電との間で工事協定を締結するだけだった」と、県都市計画 課の担当者は当時の状況を振り返る。 ところが、協定締結直前の01年1月、コトデンそごうが破たん。計画に暗雲が漂い始めた。それでも、県は「連立事業への影響はない」としていたが、同じ年 の年末には琴電本体が破たん。工事協定を締結できないまま、琴電再建を待たざるを得なくなった。 さらに3年後の04年10月、今度は県がつまずいた。財政状況が危機的なまでに悪化。大規模事業の見直しを余儀なくされる中、連立事業もその対象に。結 局、県は再開に含みを持たせる形で「事業の一時休止」を、公共事業継続の是非を審議する県公共事業再評価委員会に諮問。計画は暗礁に乗り上げた。 再評価委は05年1月、県の諮問通り「一時休止」を答申。ただ、条件として、▽さぬき浜街道と交差する本町踏切などの交通混雑の解消▽琴電とJRの交通結 節機能の強化―といった課題解決に向け、当初計画の見直しを含む検討を県に求めた。 答申を踏まえ、県は同年7月、今回の3つの見直し案を選んだ「高松琴平電鉄交差問題等検討委員会」を設置するに至った。 これまでの用地買収などに投じられた費用は47億円。うち20億円は国の補助金で、残る金額の7割強を県、2割強を市が負担している。 【取材】金藤彰彦、福原健二 |
(四国新聞Webサイトより)
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2011.11水田駅 |
2011.11水田駅前には未成の道路が長尾線に並行して伸びる |
2011.11水田駅ではすれ違いが行われる |
2011.11水田駅を出発した高松築港行き電車 |
2011.11水田駅付近の高松東道路 |
2011.11水田駅付近の高松東道路 |
2011.11三条駅側から高架区間を望む。複線分で施行されている |
2011.11高架橋、周辺はマンションが林立し都市化が進行中 |
2011.11高松東道路と立体交差 |
2011.11太田駅側から高架区間を望む、背後は高松自動車道 |
2011.11太田駅 周辺は住宅が密集 |
2011.11太田駅 |