本
社所在地 |
熊本市黒
髪3-7-29 |
設
立 |
1909
(明治42)年8月15日 |
資
本金 |
1億
9,443万円 |
公
式webサイト |
http://www.kumamotodentetsu.co.jp/ |
▼25日から新軌道 熊本電鉄
(2001年2月23日『熊本日日新聞』) 菊池郡西合志町須屋の国道387号改良工事に伴う熊本電鉄の軌道移設工事が完了し、熊本電鉄は24日午後9時半から線路の切り替えを行い、25日の始発 便から新軌道での運行を始める。 移設工事は昨年4月着工。新軌道(延長約1.7キロ)は、国道沿いの現軌道から最大で東側に約140メートル移動し、区間内に23カ所あった踏切も8カ 所に削減した。区間内には移設した黒石駅のほか、九州自動車道との交差部付近に「三ツ石駅」を新設し、通勤通学客の利便性を高めた。 国道改良工事は渋滞解消と歩行者の安全確保が目的。区間はポリテクセンター熊本(熊本職業能力開発促進センター)から、国道と九州自動車道の交差部間の 約1.1キロ。両側の歩道を含み幅員14.5メートル。右折レーン2カ所も設ける。総事業費は約16億円。そのうち電鉄の工事費は約7億円、用地補償費2 億5千万円。 熊本電鉄は3月中旬までに現軌道敷を撤去し、その後、町が下水道工事に着手。県は同工事が完了する9月ごろ国道改良工事に入り、14年度末までの完成を 目指す。 県、西合志町と熊本電鉄は、工事に関する基本協定を昨年3月に締結。新軌 道の移設用地は昭和18年ごろ電鉄が取得していた。今年2月、移設によって生活 道路が遮断されたとして、沿線農家ら4人が通行権確認を求める訴訟を熊本地裁に起こしている。熊本電鉄は新軌道の開通式を26日午前10時半から、新設の 黒石駅前広場で行う。 |
移設工事が完了し25日から電車が走る 電鉄の新軌道と黒石駅=西合志町須屋 |
▼熊本電鉄 延伸して熊本市電と相互乗り入れへ (2004年1月
1日『熊本日日新聞』) 熊本都市圏の鉄軌道ネットワークの強化を目指し、国土交通省九州運輸局と県が本年度中に策定する「公共交通活性化総合プログラム」の中で、熊本電気鉄道 の軌道を熊本市電に合わせて全面改軌した上で延伸、市電との相互乗り入れによって全体をLRT(ライトレール・トランジット)化する案が検討されているこ とが31日、分かった。県、熊本市などに加え、国交省鉄道局も高い関心を示しており、早ければ今夏の来年度政府予算概算要求で事業化に向け動き出す。 欧米各都市で導入が進んでいるLRTは、高機能の新型路面電車を利用した公共交通システムの総称。LRT化をにらんだ複数の公共交通機関の連結は全国に 例がない。実現すれば、熊本電鉄始発駅の御代志(菊池郡西合志町)から藤崎宮前、熊本市役所を経て熊本駅まで、市電でも導入済みの低床タイプの新車両 (LRV)が直通する。 熊本都市圏の南北を縦貫する公共交通軸が形成されることになり、九州新幹線鹿児島ルート全線開業を控え、長年の懸案だった都市圏交通網再編の第一弾とし て注目を集めそうだ。 LRT化は熊本電鉄御代志〜藤崎宮前(9.7km)の軌道幅を現行1,067ミリ(狭軌)から熊本市電と同じ1,435ミリ(標準軌)に改軌。13あ る駅ホームも低床電車の高さに合わせて改良、バリアフリー化する。さらに電鉄藤崎宮前駅から路線を延ばし、電車通り(県道熊本高森線)の熊本市電に乗り入 れ、一体化させる計画。 完成後は、身障者や高齢者も乗降しやすく、時速70キロ走行が可能な高機能の低床新車両を導入。御代志〜市役所を30分以内で結ぶ。 延伸ルートは(1)国道3号(約1.1km)(2)坪井川沿い市道(約1.2km)の2つが有力。例えば国道3号で延伸した場合、両側の歩道を少しずつ 削ることで、道路中央部に単線分のスペース(幅)約3メートルを確保する。改軌やホーム改築、路線延伸と新車両購入費などを含む総事業費はおおむね 80〜90億円とみられる。 本年度末のプログラム策定後は、国、県、熊本市と熊本電鉄など関係者が事業化に向けた協議に着手する見通し。延伸ルートの確定とともに、事業費の捻出や 事業主体などを具体的に検討する。 |
国道3号と電車通りが交わる水道 町交差点。熊本電鉄藤崎宮前駅 (写真上方)から超低床電車での 新規路線が検討されている。 |
【LRT】ライトレール・トランジット。軽快電車と訳されるが、本来は欧米の中 規模都市で導入されている次世代型の公共交通システム。日本初導入の熊本市 電をはじめ、広島市、鹿児島市などを走るハイテク低床電車(LRV=ライトレール・ビークル)を核に、バスとの役割分担や料金一元化、道路上の優先信号な どを組み合わせ、住民に利用しやすいシステムを形成する。(1)走行性能に優れ、高架や地下の乗り入れも可能(2)低床、低振動などのユニバーサルデザイ ンなども特徴。 |
▼次世代型路面電車 水道町で市電に接続 熊本電鉄が計画案 (2005
年9月27日『熊本日日新聞』) 熊本市電に乗り入れる熊本電気鉄道(同市)のLRT(次世代型路面電車)化計画案の概要が26日、分かった。同市の藤崎宮前駅から国道3号(約1km) を通り、水道町で市電に接続。菊池郡西合志町の御代志駅から大池まで延伸する。新たに4駅を設置、4駅を移設。総事業費は約120億円を見込んでいる。 同社は既に国土交通省九州運輸局、県、熊本市、西合志町など関係機関に計画案を提出している。ただ、各機関との協議はこれから。財源の確保など検討課題 も多く、実現するか流動的な面がある。 同社の計画案によると、軌道を市電のレール幅に合わせ、超低床式車両を導入、JR熊本駅前まで直通運転する。新駅として「大池」「女性センター前」「白 川公園前」「水道町」を設置、「新須屋」「亀井」「北熊本」「黒髪町」の4駅を移設する。 同社は、御代志駅から大池までの延伸を計画しているが、西合志町はさらに辻久保までの延長を希望しているという。水道町〜大池までの延伸で運転区間は現 行の9.7kmから約12kmとなる。一部区間の運行速度を上げ、大池〜水道町間を現在の御代志〜藤崎宮前間の所要時間とほぼ同じ約25分で結ぶという。 LRT化に伴い、運転本数は現在の平日(上下)81本から約200本に増 発。午前6時半〜午後9時15分の運行時間を午前5時台〜午 前0時台まで延長す る。併せて同社のバス網を再編し、周辺の団地と各駅の間にバスを運行。熊本市中心部に乗り入れるバスの本数を、現行の一日(上下)約600本から半減させ る。 計画案について熊本電鉄は、「当社としての考えをまとめた。今後、行政側に計画案の妥当性を検討してもらい、結論を導き出していただきたい」と話してい る。 同社の鉄道部門は赤字が続いているため、同社は昨年6月、「2006(平成18)年3月末までにLRT化に対する財政支援について行政の結論が出なけれ ば、08年3月には鉄道事業の廃止はやむを得ない」と表明している。(奥村国彦) |