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とは掲 高速道路スレ
首都高速道路・改修問題

“世界都市・東京”避けられない「首都高改修」 都心環状線の廃止を
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121018/plc12101808160004-n1.htm

産経新聞・2012.10.18 08:15

  東京都心部の風景が大きく変わるかもしれない。誕生から半世紀を迎える首都高速道路をめぐり、前々から要望が強かった日本橋を覆う高架橋の撤去を含めた大 規模な改修論議が進んでいるからだ。実現に向けては、費用負担や再生のあり方など難しい課題が山積しているものの、東京が今後とも魅力ある世界都市として 成長を遂げていくためには避けて通ることはできない課題だ。活発な議論を望みたい。

 首都高は1964年に開催された東京オリンピックに合わせて整備された。都心中心部の千代田、中央、港区を走る全長約15キロの都心環状線は最初の区間が建設されて今年12月で50年を迎える。

 首都高全体の総延長約301キロのうち、3割相当は完成後40年が経過している。交通量が多い首都高では過積載の大型トラックなどが日常的に走行し、路面に与える損傷が深刻化している。

  このため、補修が必要とされる箇所は、2009年度末で9万6600件と5年前の3倍以上、この7年では3倍近くに達している。首都高速会社では年間で約 300億円を補修工事などに投じているが、今後も老朽箇所が増えることが予想されており、もはや応急的な改修も限界に近付いている。

 こうした経年劣化による改修工事の増加に加え、最近では首都直下地震など防災の観点からも思い切った対策が求められている。このため、国土交通省の有識者会議では都心環状線の地下移設やルート変更などを求める提言をまとめた。

  オリンピックを控えて急ピッチで整備が進められた首都高は、実は特異な成り立ちの経緯による特異な構造を持った建造物である。用地買収が困難な中で、期限 までに確実な完成を課せられたため、新たな用地取得がいらない道路や川の上の空間が使われることが多かった。加えてその後の地価高騰もあり、結果として道 路全体の9割以上が高架橋やトンネルという構造が生み出された。

 だが、重要文化財である日本橋に覆いかぶさる首都高には、以前から景観 上の問題も指摘されている。有識者会議では「高架橋を撤去して地下化を含めた再生を目指すべきだ」とした。05年に「あの景観が復活すれば世界的な名所に なるのではないか」と述べたのは当時の小泉純一郎首相。日本橋を挟む竹橋-江戸橋間の2キロの地下化を求める声も上がったが、4000億円以上とされる建 設財源のめどが立たずに議論は進んでいない。

 ただ、都心環状線の平均半径は2キロ強に過ぎない。北京やパリの5キロ、ワシントンの16 キロなどと比べて圧倒的に小さい。また、都心環状線の通行車両の6割が都心を通過するだけという調査もある。莫大(ばくだい)な費用がかかる地下化よりも 都心環状線を廃止し、高架を撤去した方が効率的ではないか。(産経新聞論説委員 井伊重之)


首都高50年 老朽化深刻 ひび割れあちこちに
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012122002000099.html

2012年12月20日 朝刊

  東京を中心に張り巡らされた首都高速道路が二十日、開通から五十年を迎えた。昭和の経済成長の一翼を担った大動脈はいま、深刻な老朽化に直面しており、大 規模改修や建て替えに向けた議論が活発になっている。一部路線の地下移設案も浮上するが、巨額の費用の財源にめどは立たず、将来像は定まっていない。

●さびた鉄筋
 はがれたりひび割れたりしたコンクリート、むき出しのさびた鉄筋-。首都高は傷みやすい高架橋が全体の八割を占める。
 完成から四十年以上たった区間は三割に上り、橋げたや橋脚などあちこちに損傷がみられる。
 二〇〇九年時点で九万七千カ所の補修が必要で、〇二年の三倍近くに増えた。一日百万台が利用し、一般道や地方の高速道に比べて大型車の通行量が多い悪条件も重なり、傷みが急速に進む。
 管理する首都高速道路会社によると、阪神大震災クラスの大地震に備えた耐震対策は実施済みだが、東京都市大の中村英夫学長(土木工学)は「首都直下地震で首都高に被害が出れば、人命救助や物資輸送に多大な影響がある。老朽区間は補強や建て替えを急ぐべきだ」と指摘する。

●4兆4千億円
 国土交通省の有識者会議は今年九月、建設時期が早い約十五キロの都心環状線を撤去し、地下に移設する案を有力な選択肢に挙げる提言をまとめた。
 ビルの合間を縫うように通る高架橋が景観を損なっているとの批判は以前から強い。地下に移設すれば、景観の改善のほか、急カーブの緩和で事故を減らし、最新技術で防災対策ができる。
 ただ肝心の財源について提言は「税金に極力頼らず、料金収入を中心とすべき」としただけで、具体的な確保策は示さなかった。費用は四兆四千億円との試算もあり、二〇年度に全線開通予定の新東名高速道の総事業費と同規模だ。

●有料制の延長
 現在の国の計画で首都高を含む高速道は、建設費などの借金を五〇年までに返済して無料開放することになっている。
 高速道路各社は収入の大半を占める通行料を、日常的な補修費を除いて借金返済に回さなければならず、大規模な改修費は残らない仕組みだ。
 「莫大(ばくだい)な費用がかかる案は出せない」。首都高会社の菅原秀夫社長は十月の記者会見で、現在の料金制度の下で地下移設の是非を判断することに対し慎重な姿勢を崩さなかった。
  老朽化は全国の高速道路網で進む。東日本、中日本、西日本の高速道路三社が管理する約九千キロでは、名神高速道が一九六三年、東名高速道が六八年にそれぞ れ部分開通するなど、四割の区間が開通後三十年を経過した。国交省は急増する改修費に対応するため、五〇年以降の有料制延長を検討している。
 杉山雅洋早稲田大名誉教授(交通経済学)は「維持更新をどう進めるかは、首都高にとどまらない全国共通の深刻な問題だ。無料開放すれば税金で費用を賄わなければならず、財政的に立ちゆかなくなる。有料制を続け、利用者負担で捻出すべきだ」と話す。


首都高:50歳、働きづめ…老朽路線、優先改修へ
http://mainichi.jp/select/news/20121221k0000e040216000c.html

毎日新聞 2012年12月21日 12時00分(最終更新 12月21日 12時22分)

  首都高速道路が、最初の区間の開通から20日で50年を迎えた。高度経済成長を支えた大動脈も老朽化による傷みが目立つ。中央自動車道笹子(ささご)トン ネルで起きた天井崩落事故では老朽化が原因との見方もあり、対策は緊急課題だ。国土交通省の有識者会議の委員を務めた猪瀬直樹・東京都知事も老朽化路線を 集中工事すべきだとしている。

 ◇9万カ所補修必要、維持費は年間500億円

 首都高速道路会社によると、補修が必要な 損傷箇所は約9万6600カ所(09年度)と4年間で倍増。維持管理・修繕費は年間約500億円に上る。同社は損傷が増えている区間などを優先的に改修す る方針を決め、都心環状線(1967年開通、約15キロ)や羽田線(66年開通、約14キロ)など6路線約75キロを選定。年明けに報告書を取りまとめる 予定だ。

 笹子と同じつり天井式の羽田線羽田トンネルでは先行して今月中に天井板を撤去する。

 一方、首都高再生を議論 してきた国交省の「首都高速の再生に関する有識者会議」は9月、「都心環状線の地下化などを含めた再生を目指す」と提言。景観の改善や急カーブが緩和され 事故が減るなどのメリットがある半面、巨額の財源がネックになる。一部の委員は、恒久的に有料化すれば約4.4兆円に上る建設費(撤去費込み)を賄えると した試算を示したが、本格的な議論にはなっていない。【樋岡徹也】

 ◇財源ネック、地下化案を批判…猪瀬都知事

 「1号羽田線の老朽化工事を、すぐやらなくちゃならない」。18日に就任した東京都の猪瀬知事は初日の記者会見で具体策を明かした。

 笹子の事故を受け、首都高の老朽化対策は都知事選でも焦点になった。猪瀬氏は4~9月に有識者会議の委員を務めた時、委員長だった三宅久之氏(政治評論家、先月死去)から「一番うるさい」と評されるほど積極的に発言していた。

 猪瀬氏が主張したのは、交通まひが起きないようバイパスを確保した上での老朽化路線の集中工事。14年3月に中央環状が全線開通して都心への車の流入が減るのに合わせ、羽田線の補修に着手すべきだと訴えた。

 都によると、首都高で大規模な改築をする場合は国と都も費用を負担する。都はこれまで阪神大震災後の補修などで約2749億円を支出しており、羽田線については「年明けに(首都高会社の)報告書が出た後で会社側と協議する」(都市整備局)としている。

  一方、道路公団民営化に携わった経験を踏まえ、猪瀬氏は地下化などには資金調達のめどが付いていないとして否定的で、有識者会議では地下化案を「漫画絵」 と批判した。就任会見では「大型トレーラーが(走行して)ガッタンガッタンやれば、直しても直しても老朽化が進む」と指摘し、都心部を迂回(うかい)でき る東京外郭環状道路(外環道)などの整備を急ぐ必要性を強調した。【柳澤一男、清水健二】

 ◇首都高速道路◇
 1964年の東京 五輪開催を控え、緊急的に整備され、最初の区間(京橋?芝浦間4.5キロ)が62年12月に開通。現在は東京など1都3県にまたがり延長301キロが供用 されている。1日の利用は約100万台。供用開始から40年以上の道路が90キロ、30~39年が49キロに及ぶ。高架橋やトンネルなどの構造物が全線の 95%。大型車の割合も高速道の平均の2.5倍に上り老朽化が進んでいる。


老朽化の首都高、47キロ改修で9千億円超必要
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130115-OYT1T01581.htm


 首都高速道路会社の有識者会議(委員長=涌井史郎・東京都市大教授)は15日、首都高の老朽化対策について、現在の路線網の約16%にあたる約47キロで大規模な更新や修繕を行っただけでも、最大9100億円の建設費が必要との提言書をまとめた。

 首都高会社は今後、国土交通省や東京都などと具体策の検討に入るが、巨額の建設費をどう工面するかという課題が改めて浮き彫りになった。

  有識者会議は、総延長301キロのうち、老朽化で損傷が激しいなど6路線・約75キロの検討区間から、具体的な対策が必要な約47キロを選定した。このう ち、1号羽田線の東品川桟橋付近や3号渋谷線の池尻―三軒茶屋など計16キロを、通行止めにして構造物を新しく造り替える「大規模更新」が必要な区間と し、これだけでも建設費用は最大6850億円と見積もった。
(2013年1月16日07時16分 読売新聞)


首都高47キロで大規模改修必要 費用は最大9千億円超
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130116-00000005-asahi-soci

朝日新聞デジタル 1月16日(水)3時19分配信

首都高で大規模改修が必要な区間

  【木村聡史】首都高速道路会社の調査研究委員会(委員長=涌井史郎・東京都市大教授)は15日、首都高の約300キロのうち47キロの区間が老朽化し、造 り直しや大がかりな修繕が必要だと発表した。建設から40年以上たち、補強工事だけではいずれ崩落などが心配されるという。これらを中心にした大規模な改 修には最大9100億円かかると試算した。

 47キロのうち16キロは道路や橋脚などの造り直し、28キロは側壁を取りかえるような大がかりな修繕が必要だという。これを受け、首都高会社は来年、1号羽田線の東品川桟橋、鮫洲埋立部の造り直しに取りかかる。

 47キロは、首都高が設計基準を厳しくした1973年(通行車両の重さを8トンから9・6トンに引き上げ)より前に設計され、強度が比較的弱い。大型トラックなどの交通量が多く、橋脚部分のひび割れ、道路のでこぼこなどが目立つという。

首都高更新など1兆2300億円 有識者委が試算
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130116-00000137-san-bus_all

産経新聞 1月16日(水)7時55分配信

 首都高速道路会社(東京都千代田区)の有識者委員会「大規模更新のあり方に関する調査研究委員会」(委員長=涌井史郎・東京都市大環境情報学部教授)は15日、首都高速の大規模更新・修繕など老朽化対策の費用が、約1兆2300億円に達するとの試算をまとめた。

  試算によると、都心環状線など首都高速の総延長(約301キロ)のうち、15%にあたる約47キロで、緊急性を要するものも含め建て替えや修繕などに最大 で9100億円かかるとした。10年後には高速湾岸線など計110キロを大規模修繕するのに、さらに約3200億円必要と指摘した。

 首都高速の菅原秀夫社長は、同委員会による試算を受け、修繕などについて「国、東京都と協議し、なるべく早く実施していきたい」と話した。工事の実施時期は今後検討する。

 ただ、財源をどう捻出するかが大きな課題。料金収入では不足するため、2050年の高速無料化を先送りする議論が加速する可能性もある。

 首都高速は、総延長の半分が開通から30年以上経過しているほか、50年を過ぎた区間もあり、劣化が進んでいる。