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仙台都市圏の交通を考える
6.仙台都市 圏の高速道路、自動車専用道路、地域高規格道路    by 荷主 研究者 (仙台都市圏非在住)

ご 意見、ご感想は掲示板へ。こちら⇒  「と はずがたりな掲示板」 仙 台・宮城・陸奥スレッド 高 速道路スレ

目次
1.はじめに
2.仙台都市圏のあれこれ
3. 仙台都市 圏の鉄道
4.仙台都市圏の路線バス
5. 仙台都市 圏の高速バス
6.仙台都市 圏の高速道路、自動車専用道路、地域高規格道路
   6−1.仙台西道路
   6−2.仙台南部道路
   6−3.仙台東部道路
   仙台東部道路と国道4号バイパスの接続改善策
   6−4.仙台北部道路
   6−5.国道4号線白石〜古川の改良について
7.仙台都市圏の都市計画道路
8.仙台塩釜港(仙台港区、塩釜 港区)
9.仙台空港
10. 仙台都市圏に関する資料

6. 仙台都市圏の高速道路、 自動車専用 道路、地域高規格道路   

6 −1.仙台西道路  

 突然だが、「大都市には必ずあるモノが、政令指定都市で大都市と呼ばれる仙台≠ノは無いことがある」、といった類のことを他都市の人に言われたり、仙 台人が言ったりすることがある。具体的には、「地 下街」、「プロ野球球団」、「パルコ」、「東急ハンズ」、「テレビ東京系 TV局」などのことで、いくつも挙げられる。とは言ってもプロ野球球団は東北楽天が発足し、パルコは2008年に仙台駅前にオープンした。東急ハンズはま だ進出予定すら耳 にしないが、商 業施設なので今後可能性はあるだろう。テレビ東京系TV局も2011年に開局目指すという話が出てきた。その一方で、地下街は中心市街地商店街が強硬に反 対するだろうし、必要性や需要も感じないので、今後も仙台には建設されることはなさそうである。

 さて、今後も仙台に未来永劫できそうにない、こうした大都市インフラの1つに都市高速道路があ る。東京・大阪・名古屋はもちろんのこと、福岡・北九州、 広島で共用されている都市高速道路は大都市を象徴するインフラの1つと言え、都心部のビルの合間を縫って走る都市高速の存在は極めて大都市特有の風景で個 人的にはとても好きなのだが、仙台にはこうした都市高速は存在しないし、今後も存在し得ないであろ う。(都市高速の道路規格が降雪地帯の北日本には適さないという事情もあるらしい)
 しかし仙台には、都市高速は無くとも、仙台の都市機能を飛躍的に高めた自動車専用道路「仙台西道路」がある!というこ とを仙台人はもっと誇ってもいいと 思 う。それくらいこの仙台西道路は仙台という街にとって欠くことのできないインフラであるし、趣味的にも面白い道路だ。

 東北自動車道を仙台宮城ICで降り都心部に向かおうとすると、誰もが自ずとこの仙台西道路に入ってしまう。仙台宮城ICの周囲は山に囲まれ、背後の丘陵 地帯 はびっ しりと住宅が張り付いているが、市街地という雰囲気は全くなく美しい緑が目に付く。しかし景色を楽しむ暇も無く仙台西道路はすぐに青葉山トンネルに入る。 全長2,233mの長いト ンネルだが、追い越し可能でありクルマの流れは速く、その数も多い。トンネルを抜けると一瞬、広瀬川の向こう側に市街地が望めるが、すぐに川内トンネル (全長568m) に入り、そのまま広瀬川を仲の瀬橋で渡る。この仲の瀬橋は上部を市道が通っているため薄暗く橋特有の開放感はあまりない。市街地に向かうクルマは更に立町 トンネルへと流れてゆく。短い立町トン ネルを抜けると一気に地上に駆け上がり、するとそこは仙台を代表する通りの1つである広瀬通りとなるのだが、周囲はいきなりビルに囲まれた中心市街地と なっている。このように目まぐるしく短 時間で変化に富 んだ景色が見られるということが、仙台の地形的特徴をよく表していると言える。そして仙台西道路はそのような地形的困難を克服して東北自動車道と仙台市街 地を短時間で直結する極めて重要な道路だ。例えば仙台を中心に高速バス網がこれほど発達できたの も、仙台西道路の存在があったからに他ならない。
 そんな仙台西道路は1983(昭和58)年5月14日に暫定2車線で開通、1987年には全線が4車線化されている。尚、折立IC以西は国道48号愛子 バイパスになる。それを意識して走っている人は殆どいないと思われるが。

 ではまずは、仙台の都心部(広瀬通り)から青葉山トンネルを抜けて愛子方面までの仙台西道路の風景を紹介したい。

広瀬通りから仙台西道路に向かう 2007.5

仙台西道路の立町トンネルから広瀬通りに出た辺り  2008.11

立町トンネル 2008.11

立町トンネルの標識群を拡大 2008.11

広瀬通りから立町トンネルへ進入
 2007.5

立町トンネル
 2007.5

立町トンネルランプと広瀬通り 都心方向を 望む
  2008.11

仲の瀬橋 中央2車線が仙台西道路へ
 2008.11

立町トンネルを通り仲の瀬橋へ、右から合流
 2007.5

川内トンネルへ進入 2007.5

川内トンネルと青葉山トンネルの間の明かり区間  2007.5

青葉山トンネル
 60km/h 制限だが追い越し可能  2007.5

仙台宮城ICからの合流 2007.5

折 立IC 仙台北環状線と接続  ここからは国道48号愛子バイパス 2007.5

西花苑団地が見えてくるとオフランプが現れる 2007.5

西 花苑ランプ
 (勝手に呼称…名称は特に無い模様)  2007.5

西花 苑ランプから愛子バイパスの山形方面を望む 沿道は都市化が進み交通量も多いがこの先は信号もある 2012.3

 それでは今度は逆に愛子方面から青葉山トンネルを抜けて仙台の都心部(広瀬通り)までの仙台西道路の風景を見る。

西花苑ランプ(仮称)のオンランプ手前付近(この辺) 2012.3

この辺から様々な標識のラッシュとなる 2012.3

西花苑ランプ(仮称)から仙台宮城IC方向 を望む  2007.5

西花苑ランプと近接してオンランプがもう1つある(この辺) 2012.3

頭上に標識が絶え間なく続き、路面ペイントも多い 2012.3

綱木跨道橋 仙台北環状線と接続 この辺は道路が複雑に交差している 2012.3

ここから自動車専用道路になる 2012.3

仙台西道路仙台北環状線仙台宮城ICが複雑なJctを形成(この辺) 2012.3

仙台宮城ICと仙台西道路の分岐 2012.3

郷六橋 仙台宮城ICからの合流路の先にも小さなオンラ ンプがある(この辺) 2012.3

仙台宮城ICからは渋滞が始まった。周囲は青葉山の豊かな自然が広がる 2012.3

青葉山トンネル L=2233m 2012.3

青葉山トンネル内にある非常時の転回場 2012.3

青葉山トンネル川内トンネルの間の明かり区間(この辺) 2012.3

この先の分岐を示す案内標識 2012.3

川内トンネル 抗口が角ばっているのが都市高速っぽいよ うな…(笑) 2012.3

川内トンネルを抜けるとすぐに分岐。都心部に近付いている雰囲気が漂う 2012.3

川内トンネルの内部 2012.3

川内トンネルを抜けると仲の瀬橋 ここから立町トンネルへ向かう(この辺) 2012.3

立町トンネルの手前は1車線に絞られているが…  2012.3

立町トンネル内で2車線になる 2012.3

立町トンネルを抜けるとそこは既に都心部(この辺) 2012.3

広瀬通りに合流。一気に都心部に突入するこの変化が仙台 西道路の醍醐味 2012.3



6 −2.仙台南部道路    

 仙台南部道路は今でこそ仙台都市圏環状自動車専用道路の一部として「国土幹線たる高速自動車国道です」みたいな顔をしているが、1981(S56)年2 月に開通した当初は仙台南有料道路(正式な路線名:宮城県道53号仙台南インター線)として誕生していて、現在とはいささか趣が異なっていた。
 その名残は、東北本線や国道4号線(旧道)をアンダークロスする部分がまるで完成2車線のような幅で施工されていたり、国道4号仙台バイパスをアンダー クロスする地点 では、仙台バイパスに接続するような舗装が残っていたりするので、何となく普通の高速道路ではないなーと思わせるものがある。実は仙台南有料道路と呼ばれ てい た頃は現在の「長町IC」は存在せず、代わりに国道4号線に直結する長町仮出入口が存在していた。そのランプの跡が前述の舗装なのである。その頃は、名取 川沿いを数km走るだ けの地味な道路なので、限られた通行量しかなかったと思われるが、国道4号線に直結するランプは今の長町ICよりも逆に便利な気もする(笑)。

 1994(H6)年3月に、長町仮出入口〜仙台若林Jct間が開通したことで仙台東部道路と接続され、同時に仙台南部道路に改称された。1994年12 月には地 域高規格道路の計画路線に指定されたため、位置付けが通常の有料道路から高速道路網の一部に組み込まれるという変化が生じた。
 今でも東北本線や国道4号線のアンダークロス部分の2車線区間は、大都市を環状する高速道路というイメージとはかけ離れた一般道路然としていて、接続す る仙台東部道路のスペックよりだいぶ落ちるなと感じる。もしこの区間を4車線に拡幅しようとするとコンクリートで造られた強固なボックスカル バートを上部の交通に支障が無いように拡幅工事する必要があり、相当面倒なことになりそうなのは素人目にも明らかで、今のところ目立った渋滞は発生してい ないようであるが、将来的には常磐道の開通などで交通量が増加した際にはボトルネックになってしまいそうな悪寒がするのは、私だけであろうか…。

※宮城県道路公社webサイト仙 台南部道路

■仙台南部道路の沿革
年 月日
内   容
1981.02
仙台南有 料道路(山田仮出入口〜長町仮出入 口)が開通
1994.03.30
長町仮出 入口〜仙台若林Jctが開通、仙台 南部道路に改称
2001.08.01
仙台南 IC〜山田ICが開通、全線11.0km開通
山田IC〜長町ICの一部区間の追越車線供用開始
2004.02.24
仙台南 ICのJct化完成。仙台南ICの乗 り継ぎ専用料金所と山田本線 料 金所が廃止
2004.08.10
仙台南 Jctの立体交差化完成

■仙台南部道路の事業概要

仙 台南部道路(T期)事業
仙 台南部道路(U期)事業
仙 台南部道路(V期)事業
路 線名
県道 仙台南インター線
事 業主体


宮 城県・仙台市・宮城県道路公社
事 業方式


合 併施行(一般公共事業・一般有料道路)
事 業区間
仙 台市太白区郡山〜同市太白区山田
仙 台市若林区今泉〜同市太白区郡山
仙 台市太白区山田〜同市太白区茂庭
延 長
5.4km
3.6km
3.6km
道 路の区分
第1種第3級
設 計速度
80km/h
幅 員構成
2車線(将来4車線)1.75+3.5m×2+1.75=10.5m
工 期
1973 (S48)年度〜1980(S55)年度
1987 (S62)年度〜1993(H5)年度
1996 (H8)年度〜2004(H16)年度
2003年8月現在の宮城県道路公社のweb サイトより(現在閉鎖)


JCT化される前の仙台南ICの様子、仙台南部道路と東北道は料金所によって分離

仙台南ICから山田IC方面を望む

仙台南部道路と国道286号

山田IC〜長町ICの一部区間は4車線化されている
2003年8月現在の宮城県道路公社のweb サイトより(現在閉鎖)

▼24日に仙台南ICをJCT化 東北道と仙台南部道路 2004 年2月3日付『河北新報』
 日本道 路公団東北支社と宮城県道路公社は3日、東北自動車道の仙台南インターチェンジ(IC)を24日正午にジャンクション(JCT)化すると発表した。料金所 が廃止され、東北道と仙台南部道路はノンストップで乗り入れできるようになる。東北道と南部道路、三陸自動車道などの往来がスムーズになり、仙台都市圏の 高速交通網がさらに充実する。

 廃止されるのは、東北道・仙台南ICの乗り継ぎ専用料金所と、南部道路の山田本線料金所。現在は東北道と南部道路を行き来する場合、そこまでの料金の精 算と通行券受け取りのため、両方の料金所で停車しなければならない。料金所廃止により、東北道や南部道路、三陸道などの料金は出口の料金所で一括精算され る。

 道路公団は「年4、5回起きていた渋滞が解消するのではないか。時間的なロスや料金支払いの手間が省けるほか、周囲の排ガスや騒音も軽減できる」と効果 を強調する。南部道路を管理する県道路公社は、山田本線料金所の収受業務委託にかかる年約8000万円がコストダウンできるという。

 今回の措置に合わせ、ノンストップ料金収受システム(ETC)のサービスが24日正午に仙台東部、南部、北部の各道路と三陸道のICと料金所計14カ所 で始まる。
 JCT化とETCのサービス開始は24日が大雪などの荒天の場合、26日正午に順延される。

▼東北道仙台南JCT、立体交差化へ 9、10日 2004 年8月3日付『河北新報』
 東北自 動車道と仙台南部道路が接続する仙台南ジャンクション(JCT)が9、10日の2日がかりで立体交差に移行する。
 これまでは暫定的に平面交差となっていた。仙台市と県道路公社が計40億円を費やし2001年に工事着手した仙台南JCTは、立体交差化でほぼ完成す る。

 9日正午に東北道から南部道路への通行、10日正午に南部道路から東北道への通行をそれぞれ立体交差に切り替える。合流と分岐の位置が変更されるため、 日本道路公団東北支社は注意を呼び掛けている。
仙 台南Jctのイメージ




東北道(下り線) 仙台南IC手前にある案内標識  2012.3

東北道(下り線) 仙台南IC手前にある案内標識  2012.3

仙台南Jct〜山田IC間はR286号と並行する  2012.3

R286号に沿って4車線分の用地が確保済みである  2012.3



6 −3.仙台東部道路  

 仙台東部道路は、当初は(国道4号と重複区間である)国道6号のバ イパス道路として計画されたが、後に常磐自動車道に並行する一般国道自動車専用道路に 指定された。そのため高速自動車国道並みの高規格で設計されている。
 南の亘理ICで常磐道と接続し、北の仙台港北ICで三陸道と接続する。また途中の仙台若林Jctで仙台南部道路と接続しており、仙台都市圏の「環状」自 動車専用道路網の一端を担っている。
 仙台平野の海側に建設され、広大な平野部を一直線に走っているため線形は優れており、岩沼IC〜仙台港北IC間は最高速度100km/hで、山側を走る ため 勾配とカーブが多く80km/hに制限されている東北道よりも安全性、速達性に優れているとも言える。福島県の浜通りの常磐道がまだ全線開通しておらず仙 台東部道路はその期待される機能を現状では充分に発揮しているとは言えないが、常磐道の未開通区間の完成のメドが立ってきたため、今後の 通行量の増加と更なる機能強化が期待されるところだ。

■仙台東部道路の沿革
年 月日
内   容
1994.03.30
仙台空港 IC〜仙台東ICが開通
同時に仙台南部道路の長町仮出入口〜仙台若林Jctが開通し仙台南部道路と接続
1995.07.27
岩沼 IC〜仙台空港ICが開通
2001.08.01
亘理 IC〜岩沼IC、仙台東IC〜仙台港北ICが開通し全線 24.8kmが開通
またこれにより仙台港北ICで三陸道と接続
2006年度
仙台港 ICの事業に着手(2006 年7月28日付『河北新報』
2009.09.12
常磐道の 山元IC〜亘理ICが開通し常磐道と接続


仙台東部道路 最高速度は100km/h 2007.5

仙台東部道路と産業道路 2012.3

▼仙台東部道路 仙台港IC 本年度から事業着手 国交省 2006 年7月28日付『河北新報』
 国土交 通省は28日までに、仙台東部道路の仙台東〜仙台港北インターチェンジ(IC)間に計画中の「仙台港IC」(仮称、仙台市宮城野区中野)について、本年度 中に、用地買収に着手する方針を固めた。近く正式決定する。完成時期は未定だが、東北唯一の特定重要港湾である仙台港の機能強化が見込まれる。仙台東〜仙 台港北IC間(5.2キロ)は2001年8月に開通。仙台港ICの予定地付近は退出路と進入路の追加が容易な設計で高架橋が造られているが、開通に向けた 具体的な動きはこれまでなかった。

 高速道路と仙台港の出入りは現在、混雑の激しい国道45号や主要地方道仙台塩釜線(産業道路)などを経由している。東北地方整備局は「仙台港ICと仙台 北部道路(利府しらかし台〜東北道富谷間)が完成すると、仙台港から盛岡方面への輸送時間が29分間短縮される」(道路部)との試算を示している。
 IC予定地は宮城県と仙台市が連携して取り組む仙台港背後地土地区画整理事業の区域内で、遅れている企業立地を促す効果も期待される。


仙台港IC建設現場 2012.3

仙台港IC建設現場 2012.3

仙台港IC建設現場 2012.3

仙台港IC建設現場 2012.3

■仙台東部道路と国道4号バイパスの接 続改善策
 仙台東部道路は国道6号のバイパスとして建設されたわけだが、国道6号は岩沼〜仙台間で国道4号と重複しており、実質的には国道4号バイパスを更にバイ パスする機能を仙台東部道路は有している。しかしその割には、国道4号から仙台東部道路への接続が良くない印象がある。国道4号と直接ICで接続しておら ず、何となく使いにくい場所にICがあるような感じだ。
 そこでその辺の問題を解決すべく、個人的に妄想してみたのが以下のようなプランである(笑)。


 国道4号バイパスは岩沼や名取では市街地を通過しており、沿道はロードサイドショップが集積し混雑しがちである。そのため岩沼以南で仙台東部道路にス ムーズに行ける道があれば、便利であろう。
 そこで4号バ イパスと立体交差をしている槻木大橋を活かし、その先の県道も微妙に活 用して亘理ICへの短絡道路を構想(橙線)してみた。少し距離があるのが欠点だが、亘理ICまで迅速に 移動できるであろう。当然、国道6号との交差点は立体化させたい♪


 上述の槻木〜亘理ルートは岩沼地区の混雑を避けられるというメリットはあるものの、少し遠いのが欠点である。そこで最も国道4号バイパスと仙台東部道路 が近接する岩沼〜名取間で接続するランプ(緑線)も考えてみた。更には、「せきのした」地区にハーフICの新 設も織り込んでいる。国道4号バイパスからスムーズに仙台東部道路に流入でき、市街化が進むせきのした地区の利便性向上という両面を満たすこの計画は、我 ながら気に入っている。名取ICの位置は、名取市街地から離れ過ぎではないかと昔から思っていたので、このせきのした地区の発展は好機と捉えたい。
 関係当局には、是非ともこのような仙台東部道路の利用促進策を検討して戴きたいものである(笑)。



6−4.仙台北部道路  

▼仙台圏環状道路、10年3月までに完成 2009 年7月18日付『河北新報』
 仙台北 部道路の利府しらかし台インターチェンジ(IC、宮城県利府町)〜富谷ジャンクション(JCT、同富谷町)間6.6キロが、2010年3月までに 開通することが17日、分かった。同区間の開通により、東北自動車道、三陸自動車道、仙台北部道路、同東部道路、同南部道路が結ばれ、1周約60キロの仙 台都市圏の高速有料環状道路が完成する。

 東北地方整備局仙台河川国道事務所の川崎博巳所長は「2009年度末には、利府しらかし台IC〜富谷JCT間の供用が可能になる。物流の効率化を実現で きる」と話している。開通時期については、宮城県大衡村で16日に開かれた「仙北地域道路懇談会」で明らかにした。

 仙台河川国道事務所はこれまで、利府しらかし台IC〜富谷JCT間の開通時期を「10年10月までに開通」と説明していた。同事務所は「地元から早期開 通の要望が非常に強い。工事を急いで進めたい」としている。

 同区間の開通で、自動車産業の集積が進む第2仙台北部中核工業団地(大衡村)から仙台港への所要時間は、現在の約50分から約25分に短縮される。
 仙台北部道路は、利府JCTと国道4号を結ぶ13.5キロの自動車専用道路。富谷JCT―国道4号の開通時期は未定。

▼仙台北部道路 利府しらかし台IC〜富谷JCT 来月開通 2010 年2月7日付『河北新報』


 仙台北 部道路利府しらかし台インターチェンジ(IC、宮城県利府町)〜東北自動車道富谷ジャンクション(JCT、富谷町)の6.6キロが、3月27日に 開通することが6日、分かった。開通により、仙台市を環状に結ぶ約60キロの高速道ネットワークが完成。自動車関連産業の集積が進む仙台北部の工業団地と 物流拠点の仙台港が直結する。

 国土交通省仙台河川国道事務所によると、政令市の都市圏に自動車専用の環状道路が完成するのは全国で初めてという。
 北部道路の事業主体は国交省と東日本高速道路で、開通区間は2004年に着工した。事業費は420億円。暫定片側1車線で開通する。利府町の利府 JCT―利府しらかし台ICの5.2キロは、02年5月に使用を開始した。

 今回の開通で北部道路と東北自動車道、仙台南部道路、仙台東部道路がつながり、一周58.9キロの高速環状道路が完成する。ICは9カ所、JCTは3カ 所となる。仙台港のほか、利府町の県総合運動公園(グランディ21)、仙台東部道路沿いの仙台空港、三陸自動車道に近い松島など観光面でのアクセスも向上 する。仙台市中心部の渋滞緩和も期待される。

 トヨタ自動車の完成車製造子会社、セントラル自動車などが立地する仙台北部中核工業団地・第2仙台北部中核工業団地(大和町、大衡村)から仙台港までの 所要時間は25分程度となる。一般道路を利用する場合と比べ約35分間短縮される。東北自動車道では大衡IC(仮称)が10年度内、仙台東部道路では仙台 港IC(仮称)が13年ごろまでに、それぞれ完成する予定だ。

 仙台北部道路は、富谷JCTから富谷町富谷の国道4号までの建設計画がある。国交省などは残り1.7キロについて測量や設計を進める。開通時期は未定。

▼仙台北部道路・利府〜富谷間 来月27日午後3時開通 2010 年2月9日付『河北新報』
 国土交 通省と東日本高速道路は8日、宮城県利府町の仙台北部道路利府しらかし台インターチェンジ(IC)〜富谷町の東北自動車道富谷ジャンクション (JCT)の6.6キロが3月27日午後3時に開通すると発表した。仙台市を囲む1周約60キロの高速環状ネットワークの完成で、一般道の渋滞緩和や物流 網強化が期待される。

 開通区間は暫定2車線で幅11.3メートル。設計速度は時速100キロ。大部分が盛り土と切り土で建設され、富谷町内に石積高架橋と成田高架橋を設け た。1日3800台の交通量を見込む。
 東日本高速道路東北支社によると、高速環状を通る料金は最も安いルートに準じて設定される。

 例えば、仙台北部中核工業団地に近い東北道大和ICから仙台港最寄りの仙台東部道路仙台港北ICまで、普通車は仙台北部道路経由で900円。仙台南部道 路を通るルートも同じ900円で、現在の1900円から実質値下げとなる。中型車は1050円(現在2200円)、大型車は1400円(3000円)。南 部道路を通る方が安い村田―仙台空港ICは普通車が1500円で、北部道路経由も同額。
 富谷JCTと国道4号との接続する地点までの1.7キロは測量などを行っている。12年度中に開通する見通し。

▼通行量想定の1.8倍 仙台北部道路 高速環状化から1週間 2010 年4月7日付『河北新報』
 3月 27日に開通した仙台北部道路利府しらかし台インターチェンジ(IC)〜東北自動車道富谷ジャンクション(JCT)間で、開通後8日間の通行量が想 定を大幅に上回ったことが6日、東日本高速道路東北支社の調べで分かった。接続する東北道などの通行量も増えており、高速環状道路の完成で仙台都市圏の交 通体系の利便性が高まったことを裏付けた。

 同社によると、北部道路の開通区間(6.6キロ)の3月28日〜4日の通行量は、1日平均約6800台。当初予想していた1日3800台の1.8倍だっ た。同社広報課は「開通直後なので1度走ってみようというドライバーが多かったと思うが、予想以上の通行量だ。仙台港、大型商業施設などへのアクセスが増 えているとみられる」と分析している。2002年に開通した北部道路の利府しらかし台IC―利府JCT間も、前年の2.4倍の1日平均6500台を記録し た。

 高速環状道路と接続する高速道の通行量も軒並み増えた。三陸道利府JCT―仙台港北ICは1日平均2万1600台で前年と比べ1.3倍の伸び。東北道大 和IC―富谷JCT間も1日3万7500台で前年比1.2倍となった。東北支社広報課は「東北道の大衡ICが完成すれば、工業団地と仙台港の間の利用がさ らに増えることが予想される」と話している。

▼仙台北部道路 富谷JCT〜国道4号間が12年度開通 2010 年5月1日付『河北新報』

 仙台北部道路で延伸計画中の富谷ジャンクション(JCT)〜国道4号(宮城県富谷町富谷)の1.7キロが2012年度中に開通する見通しとなったことが 30日、分かった。3月末に完成した高速環状道路と1本で結ばれ、仙台圏の高速交通網がさらに充実する。

 国土交通省と東日本高速道路の共同施工で、事業費は35億円。設計は09年度に終えた。今後、用地調査や地権者との交渉に入るが、遅れが出れば工期延長 の可能性もある。大規模な架橋工事はなく、丘陵地を切り開いて盛り土上部に道路を通す計画。

 今年3月27日に北部道路の利府しらかし台インターチェンジ(IC)〜東北自動車道富谷JCTの6.6キロが開通した。富谷JCTから国道4号につなが ることで、高速環状道路を経由して東北道や三陸道へ乗り入れしやすくなる。国道の混雑緩和も見込まれる。
 東北地方整備局仙台河川国道事務所によると、国道4号の東北道泉IC付近―仙台市宮城野区苦竹までの交通量は、北部道路全通で2030年には1999年 比で2割減少すると試算された。

 仙台周辺の高速道路では北部道路と三陸道を結ぶ利府JCTのフル化工事が10月完了予定。三陸道の石巻方向と、北部道路の相互通行が可能となる。常磐道 も相馬〜山元ICが14年度に開通、仙台と首都圏が直結する。

▼仙台北部道路 10月・利府〜富谷間 予想通行量の2.5倍 2010 年11月21日付『河北新報』
 今年3 月開通した仙台北部道路利府しらかし台インターチェンジ(IC)〜東北自動車道富谷ジャンクション(JCT)間の10月の通行量は当初予想の 2.5倍に達していることが、東日本高速道路の集計で分かった。

 同区間(6.6キロ)の10月23〜29日の平均通行量は1日9600台。当初予測の3800台を大幅に上回った。2002年に開通した北部道路の利府 しらかし台IC〜利府JCT間も2.3倍。東北道富谷JCT〜大和IC間も1.4倍の4万1200台を記録した。
 北部道路と三陸自動車道を結ぶ利府JCTでは、石巻・松島方面との相互通行を可能にする「フル化」工事が10月22日に完了。利便性が高まり、環状道路 の通行量を押し上げている。

 一般道の渋滞緩和にも効果がみられた。国道4号では通行量が1日当たり2%減少。仙台北部中核工業団地(大和町、大衡村)と仙台港方面を結ぶ県道塩釜吉 岡線からの乗り入れも進み、同線は通行量が13%減った。県北方面から北部道路を経由して仙台港の大型商業施設に向かう車も増えたという。
 同社東北支社は「県内の産業集積は進んでおり、物流ルートとしての北部道路の重要性はさらに高まる」とみている。



6−5.国道4号線白石〜古川間の改良につい て  

 国道4号線は東京と青森を結ぶ全長739kmの陸上距離が日本最長の国道である。そして仙台都市圏においても仙台バイパスを中心に道路交通の中枢を担っ ている。東北自動車道が山側の人口 希薄地帯を通過しているのに対して国道4号は旧道はもちろんバイパスも市街地部を通過しているため、交通量は極めて多い。しかし昭和40年代に共用が開始 された 比較的古いバイパスのせいか立体交差が少なく全体的に渋滞しがちだ。宮城県そして東北地方の中枢部と言える白石バイパス〜古川バイパス(大崎市)間につい ても一部2車線の区間があり、拡幅事業 が行われている。そのような国道4号線の白石〜古川間の様子を改良の有無に着目しつつ観察していく。
 尚、国道4号仙台バイパスについては地域高規格道路仙台都市圏自動車専用道路等の候補路線の1つとして「仙台バイパス」が挙げられており、長期的には現行の仙台バイパスを改良 して自動車専用道路としての機能を持たせる計画があるものと思われる。そのため国道4号線の白石〜古川間の改良の項をここに載せることとした。

(※以下は注記が無い限り下 り方 向を走行しながらの写真である)


国道4号白石バイパス 2車線から4車線に拡がる地点(この辺)、早朝(AM6:00頃)のため交通量は少ない 2009.7


国道4号白石バイパス 国道113号と立体交差 奥の新白石大橋と一 体化した立体交差である(この辺) 2009.7


国道4号白石バイパス(上り方向) 県道254号と信号を介した立体 交差、右側には東北自動車道が並行する(この辺) 2009.7


国道4号白石バイパス 蔵王大橋 2009.7


国道4号白石バイパス 4車線化が終了(この辺) 2009.7


国道4号大河原バイパス ここから再び4車線化が始まる(この辺) 2009.7


国道4号柴田バイパス 大河原バイパスを含め沿道にはロードサイド ショップや大型スーパーが目立つ 街路樹が整備され美しい(この辺)  2009.7


国道4号柴田バイパス 地図上では小さく目立たないが、簡便な立体交 差がある。国道349号への抜け道となっている(この辺) 2009.7
なおこの立体交差部分はWikipediaに よると2010年9月30日をもって中央分離帯の開口部が閉鎖され上り線との出入りができなくなったとのこと。


国道4号柴田バイパス 槻木高架橋(長さ597m)、東北本線・阿武 隈急行・国道349号などを跨ぐ 2009.7


国道4号柴田バイパス 白幡交差点は立体化されたが下り線の場合仙台 方面へのオンランプしかないハーフインターとなっている(この辺) 2009.7


国道4号柴田バイパス 上部の県道は槻木大橋を利用したインターと なっている 2009.7


このIC周辺の地図


国道4号柴田バイパス 槻木大橋と複雑なインターを形成する(この辺) 2009.7


国道4号と県道39号(仙台岩沼線)の交差点この辺) 県道39号は国道4号 のバイパス的機能を有するため交通量は少なくない。長大な左折レーンがそれを物語る  2009.7


国道4号と国道6号の交差点(上り方向)(この辺) 「一桁国道」同士の結節点 なのだが平面処理の交差点である… 2009.7


国道4号仙台バイパス 県道258号(仙台館腰線)と立体交差(館腰 跨線橋)する その下部は県道20号(仙台空港線)である(この辺)  2009.7


国道4号仙台バイパス 仙台館腰線とはこの次の交差点で接続  AM6:30過ぎだが仙台に近づき交通量が急激に増えてきた(この辺)  2009.7


国道4号仙台バイパス 旧道との分岐点(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 仙台空港鉄道との立体交差(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 名取大橋 中央分離帯が無いのは将来的に片側 4車線にする計画があるのか(笑)?(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス かつて仙台南有料道路とのインターがあった地 点(この辺) ここから6車線になる 2009.7


国道4号仙台バイパス 鹿の又交差点(この辺) 右折すると仙台南部道路の長町IC、左折すると広瀬湖畔通を通り仙台市中心部に至る 将来的には立体交差化の計画あ り 2009.7


国道4号仙台バイパス(上り方向) 鹿の又交差点(この辺) 複雑な標識がそそ られる(笑) 2009.7


国道4号仙台バイパス 千代大橋(L=310m、W=14m、 1965年完成 『みやぎの土木史』p8)で広瀬川を渡る(この辺)  2009.7


国道4号仙台バイパス 若林四丁目交差点(この辺) ここから片側3車線+側道1車線となる 2009.7


国道4号仙台バイパス 片側3車線+側道1車線の地上が仙台バイパス の典型的風景である(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 左折専用レーンなど大規模な交差点が多いのも 仙台バイパスの特徴である(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 六丁目交差点 片側7車線の巨大な交差点。し かしこのような交差点が平面処理とは…。(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 卸町交差点 周辺は仙台の流通・物流の一大拠 点である卸団地(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス(上り方向) 卸町交差点 2009.7


国道4号仙台バイパス 箱堤交差点 先程の六丁目交差点と同様に片側 7車線の巨大な交差点 中央部には将来の立体化対応と思われる築堤がある(この辺)  2009.7


国道4号仙台バイパス 箱堤交差点 2009.7


国道4号仙台バイパス 苦竹IC 中央分離帯の築堤は苦竹ICから続 く立体化準備と思われるが、具体的計画はまだ無いようだ(この辺) 2009.7

苦竹IC付近の国道4号線は地図上の赤線部分の区間のみが片側3車線から片側2車線に減っている



国道4号仙台バイパス 苦竹IC 下部に走る国道45号と直交する  2009.7


国道4号仙台バイパス 苦竹IC 短い距離だが片側2車線に減少して いる(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 苦竹IC(上り方向) 上り車線も一瞬片側2 車線に減少 2009.7


国道4号仙台バイパス 苦竹IC〜山崎交差点間は2007年3月に4 車線から6車線に拡幅された(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 小鶴新田地区へのIC、名称は無いようだ(この辺) 2009.7


国道4号線バイパス(上り方向) 小鶴新田地区へのIC 6車線化さ れたことで(特に上り線の)流れが非常に良くなった 2009.7


国道4号仙台バイパス 東北新幹線と直交する 山崎交差点の標識が現 れる(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 山崎交差点 現時点では6車線はここで終わり (この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 山崎交差点からは4車線になることから終日混 雑気味になる 2009.7


国道4号仙台バイパス 泉交差点で旧国道4号線(陸羽街道)が分岐(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 将監交差点 国道4号線上り線から将監トンネ ル方面へのランプ橋が伸びる(この辺)  2009.7


国道4号仙台バイパス 将監交差点 ランプ橋が大蛇のように頭上をう ねっている 2009.7


国道4号仙台バイパス(上り方向) 将監ランプ橋は左車線から分岐(この辺) 2009.7


国道4号仙台バイパス 将監ランプ橋 2009.7


(参考)県道22号線(仙台泉線) 将監トンネル 2009.7


(参考)県道22号線(仙台泉線) 将監トンネル 2009.7


(参考)県道22号線(仙台泉線) 将監トンネル 中央部は開口して おり美しくも近代的な道路風景である 2009.7


国道4号富谷町内 周辺の丘陵地帯は仙台のベッドタウンである(この辺) 2009.7


国道4号富谷町内 郊外の市街地を淡々と4車線区間が続く(この辺) この先の仏 所交差点からが富谷バイパス 2009.7


国道4号富谷バイパス 富谷大橋の手前付近(この辺) 2009.7


国道4号大衡町内 この大柳交差点で4車線が終わり2車線となる(この辺) 2009.7


国道4号大衡町内この辺) 大柳交差点〜大衡小前交差点〜楳田川橋までの区間(1.3km)は4車線化 拡幅中、2010年度完成予定 2009.7
国道4号富谷大和拡幅については、こ ちらを参照。


国道4号大衡町と大崎市の境界付近この辺) 2車線区間は単調な田園地帯が広がる 2009.7


国道4号 県道156号との交差点この辺) ここから再び4車線区間となる 2009.7

これ以北の大崎市内の国道4号について現時点では写真無し